森を表現する人

June 19, 2020

デザイナー・工藤波夫

工藤にとって久万(くま)は小さい頃から好きだった場所です。
夏休み、祖父母の住むとなり町から遊びに行った際,川の透明さに驚いたこと,キャンプでスイカを食べた思い出など,特別な美しさが工藤の心に残っていました。

また,よく足を運んだ久万美術館にはアバンギャルドな収蔵品があるなど,
ちょっと普通とは違う町だなと思っていました。

大人になって出会った井部健太郎から,久万の山を守るためにどんなことをしてきたのかを聞きました。

「森が抱えている問題を,若い方にも気づいてほしい」との想いで,学生たちに久万高原に来てもらって森のワークショップをやったり,木を使った小物を作り販売にも取り組んだりしてきたこと。

「今回のMOTOMOTOKUMAプロジェクトはカードケースから行こう!」と決めた井部のもと,どうやったらさらにそれが届くのかを工藤は一緒に考えました。

これまでは久万に来てもらい,魅力を知ってもらうことを考えてきました。
でも,こちらから森の美しさを伝えに行くことが必要だと気づきました。
大人にも,これから大人になる人にも森が「あこがれ」になるようなものを作りたいと思ったのです。

例えば,北欧のデザインは寒い森の気候/環境で豊かに暮らすために生まれたものです。
日本には,北欧の森ではなく,そこから生まれたデザインが先に入ってきました。
それから,北欧に興味を持つようになり,「いずれは行ってみたい」と思う方も増えました。

工藤は英国でヴィジュアル・コミュニケーションを学んだあと,ロンドンのデザイン会社 Smith& Coで勤務しました。
工藤が大切にしているのは,自分にしてほしいことを人にもすること=本当に何か必要かを一緒に考えることです。

「森は人の手が入らないと立ち行かないものだ」と井部から聞いたとき,「人には動植物を管理する役割がある」という言葉を思い出しました。

森は、本当は何を必要としているのだろう。
森のしてほしいことを、自分もしよう。
そして、デザインを受け取る方々がしてほしいことは何だろう。

そのことを考えた結果のプロダクトデザインとなりました。

MOTOMOTOKUMA を通して,森がすぐそばにあることに気づいてほしいと思います。そして,久万高原に行きたいと思ってくださる人か一人でも増えることを願っています。

Namio Kudo

@motomotokuma