「山」って何だろう。

July 5, 2020

「山」と聞いて,あなたはどんな山を思い浮かべますか?

いろいろな人に聞いてみました。

「富士山」
「石鎚(いしづち)山」
「エベレスト」

「あそこの山」,と窓の外に見える近くの山を指さす人もいました。

人によって「山」は違うのだなあと思いました。

わたしたち林業に携わる人間にとって
「山」はスギやヒノキなどの針葉樹が人の手によって植林された山を指します。
それは「人工林」とも呼ばれます。

「ちょっと山に行ってくる」
は,この人工林に行ってくること。

登山をイメージする「山」とはちょっと違います。

“多くの人に木や森を身近に感じてもらうために”
と,これまで一般のかたがたに「山」について説明していると,
何かがかみ合わないなあ・・・感じることがありました。

これは,「山」に対するそれぞれのイメージが違うからだと気づきました。

そこで,こう尋ねてみました。

「むかし,むかし,あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山へ芝刈りに,おばあさんは川へ洗濯に・・・。
の,おじいさんが行った『山』はどんな山ですか?」

「それは里山ですね」

多くの人が同じ答えでした。

道具を作る,燃料にする,家を建てるなど,
くらしに必要な木は,むかしは身近にある里山からとってきていました。

むかしの人が「ちょっと山に行ってくる」というと,
その「山」は里山を指していました。

その頃の里山には,今のような植林された木々があったわけではなく,
スギやヒノキといった針葉樹と,クヌギやナラといった広葉樹が,バランスよく自然に育っていました。
そして,ときには“こどもたちがくらしに使えるように”と,木を植えることもありまし
た。
ほどよい“自然”と,ほどよい“人工”とが共存していました。
「里山」は,自然と人工,自然と人間の共存の姿そのものでした。

こうした共存できる場所も必要だと考えます。
針葉樹と広葉樹がバランスよく育っている山。
くらしに役立ち,寄り添い,共存していく山。
これも,わたしたちが目指すMOTOMOTO(もともと)の山のひとつのかたち。

わたしたちのフィールドとなっている久万(くま)地域で,MOTOMOTO(もともと)の山に戻していくために,私たち林業に携わる人間も少し考え方を変える必要があります。
わたしたちは、針葉樹いっぺんとうの植林をするのではなく,広葉樹もバランスよく植えることも始めています。
同時に,これまで植えてきた針葉樹を,大切に使う方法も考えています。

そんな想いや取組を表現し,提案したのがMOTOMOTOKUMAのプロジェクトです。

MOTOMOTOKUMAの商品を通して,「人々のくらしの近くに山や木がある」ことを想っていただきたいと願っています。

@motomotokuma